現在の民間航空輸送において、航空機の高度表示は「気圧高度」によって実施されていますが、将来的には、誤差の無い「幾何学的高度」の利用が一般的になることが予想されています。

現在の気圧高度は、「取り付け誤差」「機器誤差」「密度誤差」「角度誤差」「反転誤差」といった様々な誤差を内含していることは、よく知られています。

近年、民間航空機で一般的に利用されている「衛星を利用した航空機運航」ですが、水平方向だけでなく垂直方向も正確に位置を特定することが可能な性能を有しています。これを利用することで、航空機の全てのフェーズにおける「幾何学的高度」の実現が達成され、全ての航空機が誤差の無い高度を飛行することが可能になる、というものです。

日本でも試験運用が始まっているGBASやSBASを使用した進入方式は、航空機の垂直位置はまさに幾何学的高度によるものです。こうした進入方式は欧米で普及が拡がっていることから、今後世界的に拡大することが予想されており、ますます幾何学的高度について議論が深まっていくことが十分に予想されます。

IFALPAでは、この幾何学的高度について利点と共に課題を記していますので、内容を確認していただき、日本における議論の基礎としてください。