操縦席の2名体制を維持することでパイロットグループが結束 

IFALPA、ECA、ALPAは「パイロットを減じた運航」という新たな安全に対する脅威に対して共同声明を発表

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モントリオール、ブリュッセル、ワシントンDC発:

一部の航空会社や航空機メーカーは、利益追求を目的に操縦席からパイロットを排除するという、明らかに安全リスクを増大する計画を推進しようとしています。この計画を阻止すべく、世界最大のパイロットグループ代表者達は今日(3月27日)、世界的に連携していくことを表明しました。国際民間操縦士協会連合会(IFALPA)、欧州パイロット協会(ECA)、そして米国/カナダ操縦士協会(ALPA)のパイロット代表者達は、民間の空を守り、国際民間航空機関(ICAO)を含む世界中の航空当局に対する企業主導のロビー活動に対抗するべく、結束して活動していくことになりました。

「あなたがニューヨークやサンフランシスコ、或いはアトランタからロンドンやパリ、または東京へフライトする時、少なくとも2名の、資格を持ち、経験を積み、訓練を受け、正しく休養を取ったパイロットが航空機の操縦席で操縦を実施します。フライトにおける全ての仕組み(つまり航空機自体、システム、法律、フライトに関する規程、飛行の実施に必要な飛行手順)は、操縦席に2名のパイロットというチームがいることを前提として設計されているのです」と、ALPA代表のJason Ambrosi機長、IFALPA代表のJack Netskar機長、ECA代表のOtjan de Bruijn機長が最近の意見記事で述べています。

2017年に実施されたNASA(連邦航空宇宙局)とFAA(米国連邦航空局)による研究では、1名のみによる運航の場合、特に異常事態や緊急時において、許容出来ない安全上のリスクが存在することが明らかになっています。それにも関わらずいくつかの航空会社と航空機メーカーは利益を優先し、民間航空分野に許容出来ない水準の安全リスクを持ち込もうと当局に働きかけています。プロフェッショナルであるパイロットは、操縦席における安全を高めることができる新技術については積極的に受け入れ、それらの導入を支持してきました。一方で、操縦席から熟練の航空機操縦士を排除する「パイロットを減じた運航」については、リスクが増大し安全を低下させるものであるとして、満場一致で反対しているのです。

操縦席における自動化の発達やテクノロジーの進化があったとしても、2名のパイロットが操縦を行っているという点が、航空機において安全を守る最も重要な仕組みであることに変わりはありません。パイロットはシステム全喪失の可能性を断ち切り、喪失したシステムの重要なバックアップとして機能し、装置間の隙間を埋め、予期せぬ状況や緊急事態に対して即時にその場で対応する役目を果たしているのです。テクノロジーがどれほど洗練されたとしても、パイロットに取って代わることはありません。

世界的なパイロット共同体である「スターアライアンス・パイロット協会(ASAP)」「ワンワールド・操縦士連合(OCCC)」「スカイチーム・パイロット協会(SPA)」は、パイロットを減じた運航に対して闘っていくこと、そして世界で最も安全な輸送手段の地位をもたらした航空業界における現在の規定が維持されるべく注力していくことで団結しています。この結集に関する情報について、詳しくはhttps://safetystartswith2.com/ を参照してください。

国際民間操縦士協会連合会(IFALPA)は、凡そ100カ国の15万人を超えるパイロットによって構成されています。IFALPAのミッションは、世界での最高レベルの航空安全を促進し、加盟メンバー及び航空産業に対してパイロットという職業、そしてそのサービスや支援を世界的規模で実施していくことです。詳しくはIFALPA.orgを参照してください。

欧州パイロット協会(ECA)は欧州中の4万人以上のパイロットを束ねている団体で、最高レベルの航空安全を維持し、欧州におけるパイロットの社会権の促進、雇用を確保するための活動を行っています。詳しくはMedia Roomを参照してください。

1931年に設立されたALPAは、米国およびカナダの39航空会社で働く67,000人以上から構成される世界最大級のパイロット組合です。 https://alpajapan.org/を参照いただくか、ツイッター@ALPAPilotsをフォローしてください。