承認されていない操作

背景

過去に発生した出来事のうち、航空会社がメーカーの推奨事項に反して操作を実施したケースがあります。過去、NTSBが以下のように記した一例があります。「この事故の推定原因は、副操縦士の不必要で過度なラダーペダル入力によって制限荷重を超過した結果、垂直尾翼が分離してしまったことである。これらのラダーペダル入力には、エアバスA300-600のラダーシステム設計の特徴と航空会社の先進航空機操縦プログラムの要素が寄与している」。航空会社のパイロットと航空機メーカー双方から懸念があがったにも関わらず、航空機の異常姿勢に対抗するための方法として考案されたこの特別プログラムは、航空会社の訓練シラバスに採用されていました。

IFALPAの見解

航空会社は、航空機の安全な運航に対して責任を持つ当局によって承認された航空機の運航手順に基づいた情報にのみ基づくべきです。航空会社は、承認されていない操作や手順を運航中に実施することをパイロットに対して求めてはいけません。ICAO SMM(Doc9859)に従い、航空機の運航に大きな影響を与える操作または手順、例えば、結果として生じるリスクが「低リスク」よりも大きくなるような操作手順が運航規程で承認されるためには、航空会社は以下のプロセスを踏む必要があります。

1、操作または手順は、メーカーまたは型式証明保有者によって開発されたか、または受け入れ可能であると合意したものでなければなりません。

2、上記(1)で開発された操作または手順は、型式証明書の発行を担当する当局によって受理されていることも必要とされます。

上記(1)と(2)が満足された場合、それら操作または手順は、航空機の安全運航に責任を有する監督官庁によって承認または受理される必要があります。