飛行前点検

現状

ICAO Annex6 4.3.1項にはこのように記されています。

機長が以下の内容を満足しているという承認作業が完了するまで、飛行が実施されてはならない。

a) 航空機が耐空性を保持しており、適切な書類(耐空証明書、登録証明書等)が航空機に搭載されていること

b) 特別運航に必要とされる、6章に定める計器及び装備品が準備されており飛行に適している状態であること

c) 8.8章に記されている整備士による機体リリースが実施されていること

d) 機体重量と重心位置が予想される飛行状態に対して有効であること

e) 積載物が適切に搭載され、安全に格納されていること

f) 飛行実施に際して、5章に記されている運航制限に準拠していることを確認すること、そして

g) 飛行計画に関連して4.3.3項の標準が満足されていること

背景

飛行前点検は、飛行安全に対して起こり得る脅威を撲滅させる大事な作業です。ICAOが明示している上記リストは、重要な内容を網羅しています。しかし、2つの重要な項目が抜け落ちています。それは燃料の純度及びピトー管や静圧孔のカバーに関するものです。後者は特に重要で、カバーを装着したままによる事例が頻発しています(最近では豪州ブリスベンで2022年5月に発生)。

IFALPAの見解

IFALPAは、4.3.1項に記されている内容は指示しますが、より確実にするために以下の2項目を追加するべきと考えます。

・可能な限り、燃料と水噴射液の純度を確認すること・航空機の外部点検を実施する者は、全ての静圧孔とピトー管が完全にクリアな状態になっていることを確認する必要があります。

・ピトー管カバーは昼夜を問わず、(赤でゆらめくタイプのような)目立つものであるべきでしょう。また静圧孔やピトー管のカバー脱着について、航空日誌や整備日誌その他に記載すべきです。