2018年12月にIFALPAよりNOTOC*(Notification TO Captain)に関するPosition Paperが発行されていますので、ご紹介します。

*各社で呼び方に違いがあり、「SL通知書」と呼ばれる場合もあります。

背景

ICAO Doc 9284 Technical Instructionsによると、貨物として運ばれるDangerous Goods=危険物についてパイロットに通知する場合、「航空会社はPICに正確で判読可能な、手書きまたはプリントされた情報として提供しなければならない」と規定されています。また、その危険物情報は空港のRFFS(Rescue and Fire Fighting Services)に直接伝えられることが期待される、としています。一方で一部の業者は、現行の紙媒体での危険物情報の確認、保存の形式は廃止し、電子媒体(iPadなど)でNOTOCを確認、保存することを推奨しています。しかしそれは、緊急時に危険物情報をすぐに参照することが可能か、またRFFSへ確実に情報を伝えることが可能か、といった新たな課題を発生させています。

IFALPAの見解

IFALPAは、現在のNOTOCでのFlight Crewに対する危険物情報提供のあり方について、「紙媒体による確認、保存」から「電子媒体のみによる確認と保管」という方式へ安易に切り替えることについて慎重な姿勢を示しています。なぜなら、電子媒体のみによる情報の保管という方式の採用は、(貨物便などにおける大量のNOTOCを紙媒体で保管する現行の方式による煩わしさから解消されるという点において)、Flight Crewに対する機能性の向上が見込まれる一方で、緊急時を含め、常時、飛行中に情報を入手可能な状態であるかという点で懸念が残るからです。従って、IFALPAは電子媒体の採用による有用性が、現行の紙媒体形式の有用性に勝ることが確認出来るまでは、現行の紙媒体形式によるNOTOCの提供は継続されるべきである、という立場を取っています。

原文はこちらをご覧ください。

  IFALPA 18POS16