逆転層を考慮した離陸性能
現状
ICAO Annex6 5.2.6項では、以下のように記されています。「この章を適用するに当たり、航空機の性能に著しく影響する全ての要素を取り入れるべきである。それは、航空機の質量、運航における手順、空港標高に対応した気圧高度、滑走路勾配、周囲温度、風、滑走路使用時における滑走路状態(雪、ザラメ雪、陸上航空機に対する水や氷、水上航空機に対する水表面状況)などであり、これらに限定されるものではない。そしてこれらの要素は運航に必要な要素として直接的、または性能の計画化や航空機の運航に応じてコード化された性能をを適用した性能に関する許容範囲の値を間接的に取り入れることによって説明されなければならない」。
背景
逆転層を上昇する際に外気温が上昇することは、それほど頻繁に発生するものではありません。エンジンが定格最大温度またはそれに近い温度で作動している場合、温度上昇は推力損失につながります。絶対温度が10度上昇すると、推力損失は8-12%の範囲で発生します(出典:エアバス第11回性能運航カンファレンス、フランシス・ペイヤー)。
IFALPAの見解
IFALPAは、ICAO Annex6 5.2.6項に、「周囲温度(地上及び上空)」と記すべきであると考えます。飛行場上空の大気で気温の逆転が予報または通報されている場合、離陸性能計算では最も高い温度で計算するべきでしょう。