ドローンなど無人航空機の飛行ルールを定めた改正航空法が施行された昨年12月から今年6月までの半年間に、無人機とヘリコプターのニアミスが少なくとも4件あったことが分かった。国土交通省は衝突を避けるため、無人機とヘリの飛行経路の情報を共有するシステムを取り入れる必要があるとして、来年度予算の概算要求にシステムの調査費用を盛り込む方針だ。

国交省によると、4件のニアミスはいずれも首都圏で発生。1月31日に千葉県の印旛沼付近で翼の幅約3メートルの無人機がドクターヘリの15~25メートル前方を降下▽2月9日に埼玉県の上空約600メートルで無人機とヘリが5~10メートルまで接近▽3月8日に千葉県野田市の上空約600メートルで無人機がヘリの下方約100~200メートルを通過▽3月25日に東京都江戸川区で無人機がヘリの下方約10メートルを通過--した。

◇無人機やヘリ「飛行経路や高度など」情報公開

ドクターヘリを含むヘリコプターは空港事務所に対し、離着陸の時刻や経路を飛行前に申請して許可を得ている。無人機も改正航空法に基づき、人口密集地の上空や夜間、目視の範囲外の飛行では経路を申請しているが、双方の操縦士が互いの経路を把握することはできない。

このため国交省は、無人機やヘリの飛行経路や高度などの情報を公開し、飛行前の操縦士に注意を促す。将来的には無人機同士の衝突防止にも役立てたい考えだ。申請された経路を大型サーバーに蓄積し、自由に閲覧できる手法を念頭にシステムの詳細を詰める。(毎日新聞160809)