ここでは、「疲労管理とFRMS」について詳しくご紹介します。

はじめに

ICAO標準によると疲労管理をする方法は次の2つがあります。

1.  飛行時間制限による手法(Prescriptive Approach)

SMSで疲労のハザードを管理しながら、管理当局が定めた勤務時間制限で勤務する。

2.  疲労管理の手法 (Performance Based Approach)

当局が承認した疲労管理システム(FRMS)が導入された環境で勤務する。

解説

 平成29年10月1日から、日本においても疲労管理が始まります。各航空会社で「SMSによる疲労ハザードの管理」、「疲労教育の実施」、「疲労した状態で勤務してはならない規定の追加」が新規設定されます。詳細はニュース41-08を参照ください。一方、ICAO標準で求められている状態は、「飛行時間制限」と「FRMS」の規定が必要になりますので、日本での本格的な導入は平成30年度(2018年)以降となります。

 平成29年10月1日から、日本の各航空会社で「SMSによる疲労ハザードの管理」、「疲労教育の実施」、「疲労した状態で勤務してはならない規定の追加」が新規設定されます。詳細はニュース41-08を参照ください。一方、ICAO標準で求められている状態は、「飛行時間制限」と「FRMS」の規定が必要になりますので、日本での本格的な導入は平成30年度(2018年)以降となります。

 航空局によると、平成29年10月から開始している国土交通省内の有識者会議において、上記の「飛行時間制限」、「FRMS導入の可否」等の検討を始めているそうですが、飛行時間制限の制定は世界各国、地域で相当な議論があり、特に欧州議会では飛行時間制限は各国が主体的に取り決めるという結果に至っています。

 米国では疲労問題を最初に取り組んだ経緯もあり、米国航空当局のFAAが定めた飛行時間制限はIFALPAの主張に近いものとなっています(ニュース35-37参照)。欧州では統一した基準はあるものの、LCCの存在や国民性の違いなどにより、各国それぞれが統一基準の内側で独自に運用をしているのが実情です。また現在、日本のパイロットの勤務は、結果的に欧州に近いものとなっており、有識者会議においてFAAの基準に近いものを採用するかどうかが注目されます。

 例として、下記に米国と欧州のFDP (飛行勤務時間) の一例を示します(表1、2)。なお、FDPとは出社時間 (ショーアップ) してから、航空機の目的地到着時間(ブロックイン)までとなります(日本の場合、出社時間から勤務終了時間まで)。また、表3では日本における長距離運航の出社時間の典型例を示しています。

表1:10時出社の場合

注:マルチ/ダブル運航はクラス3休憩施設 (クルーバンク) が条件

米国FAA基準のFDP欧州基準のFDP
シングル運航
(乗員2名)
14時間(飛行時間9時間)13時間
マルチ運航
(乗員3名)
17時間17時間
ダブル運航
(乗員4名)
19時間18時間

表2:22時出社の場合

注:マルチ/ダブル運航はクラス3休憩施設 (クルーバンク) が条件

米国FAA基準のFDP欧州EASA基準のFDP
シングル運航
(乗員2名)
11時間(飛行時間8時間)11時間
マルチ運航
(乗員3名)
15時間17時間
ダブル運航
(乗員4名)
17時間18時間

表3:米国、欧州と日本の基準比較

 米国FAA基準のFDP欧州EASA基準のFDP日本の基準
5レグ 6時出社11時間30分11時間30分時間帯に関わらず
飛行時間8時間 / 勤務時間13時間
4レグ14時出社12時間11時間30分
2レグ23時出社10時間11時間

詳細に関しては下記を参照ください。

参考リンク

FRMS導入の手引書(英語)、及びIFALPA作成のFRMSチェックリスト(日本語)です。以下の内容を参考に、日本におけるFRMS確立に役立てて下さい。

ICAO/IATA/IFALPA 発行の導入手引書
「ICAO/IATA/IFALPA 発行のFRMS導入手引書」
(Fatigue Management Guide for Airline Operators 2nd Edition)
IFALPA 作成 加盟組合向け チェックリスト

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